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2010年12月11日土曜日
火焔太鼓/五代目古今亭志ん生
iPadの発売がきっかけになって,今年はぼくにとって正しくアップル元年でした。6月に発売された4.0で,携帯も,長年愛用してきたNokiaからiPhoneに代わり,ぼくの日常も少なからず変ったように思います。
たとえば,Twitterをやるようになったりしたことは,時代の空気のようなものので,必ずしもiPhoneになったから始めたという訳でもないかもしれませんが,iPhoneや,iPhoneアプリはとてもよくできているので,使い勝手がよいから一層使うようになるということはあるように思います。
iPhoneを購入したときに,まず,やったことは移動時間などに書籍を購入して読むようになったことで,ぼくにとって特別な作家である漱石の小説などを,時間の有り余っていた(司法試験の)受験生時代久しぶりにまた読み味わうことができました。川崎・横浜間の移動などごく短い時間を使ったりして,「三四郎」「それから」「門」と読み進みましたが,ここで殊更いうまでもなく実に素晴らしい,これぞ文学作品ですね。青空文庫には,紙の文庫本のように言葉の解説はついていませんが,反面,iPhoneの場合,たとえば,大辞林などの辞書アプリを入れておくと分からない言葉でてきたときに指でタップするだけで意味を確認することができて非常に簡便です。そして,アプリの辞書には,紙の辞書には決してできない,履歴を残す機能がありますので,この表現は鋭角的でいいなと思ったようなものをこの履歴の中から拾ってきて,ときどき準備書面に活かしたりというようなことができるようになりました。「風馬牛」は「三四郎」から,「讒訴」は「それから」からと教養のある裁判官や代理人が読んでにやっとしてくれないかななどと思いながら使っています。
また,アップル製品全般にいえますが,関連の環境を上手く整えてくれていて,たとえば,iTunes Storeというオンラインショップへつながり,オーディオブックを簡単にいろいろ購入できたりすることも嬉しい仕様です。その昔大学生の頃に近所の区立図書館から落語のカセットテープを借りてきては,ダビングして随分楽しんでいたのですが,五代目志ん生あたりの名人になると,その後CDの時代になってからもいろいろな音源が繰り返し発売されてきました。iPhoneになってからは,ちょっと検索して山のようにあるタイトルの中から,演目ごとにダウンロードして楽しむことができるようになりました。志ん生のオーディオブックなんて忙しくしているのに一体いつ聴くかと思われるかもしれませんが,実は,最良の時間は就寝の際なのです。これくらいリズムといい,声質といい,熟睡にうってつけの音源はありません。なので,いつも,枕ばかり聴いていて,何度聞いても,落ちまではたどり着けていません。
2010年(平成22年)12月11日 土曜日